看護って本当に難しい
こんばんは!
看護師(医療者)は一生勉強とよく言われます。
医療は日々進化しているため、治療法や薬剤が変わっていきます。
疾患や治療法を勉強し医師のサポートをするのも大切ですが、患者さんや家族の心のケアも大事な看護師の役割の一つです。
正直、疾患や治療法の勉強は覚えてしまえばさほど大変ではありません。
最初は大変ですが、ベースが理解できるようになれば+αで足していくだけなので日々の勉強にも慣れていきます。
大変で難しいのは『人の心に寄り添うこと』
人間は十人十色です。
関わり方・声のかけ方に正解なんてありません。
『なんと声をかけたらいいかわからない・・・』と思う場面なんて何度もあります。
『これでよかったのか?もっといい声かけができたのではないか?』と振り返る場面も何度もあります。
たった20年ちょっとしか生きていない僕がかけられる言葉なんてたかがしれてます。
正解がないんだからそんなこと考えたって仕方がない!と思うかもしれません。
僕は、以前にも述べたように『看護師になりたい!』という強い意志があって看護師になったわけではありません。
しかし、この仕事を続けている以上は、正解がないからと諦めるのではなくどうしたらよかったのか?を考えて、次に活かしていきたいと思っています。
ついこないだも『どうしたらよかったのか?』と悩む場面がありました。
患者さんのプライバシー保護のため詳細は控えさせていただきますが、簡単に説明すると癌で手術を受けたものの癌が予想以上に浸潤していたためインオペ(手術不能という意味。手術室では切ったものの手術はできないためそのまま閉じてしまうこと)になってしまった患者さんがいました。
術後医師から家族には説明していましたが、患者さん本人は術後ということもあり後日説明ということになっていました。
病状説明がは医師が行うものなので看護師から安易に説明することはできません。
患者さんに聞かれても「医師の方から説明がありますので・・・」等としか答えることができません。
後日、医師から患者さん本人に病状説明を行いました。
病状説明後、僕は患者さんに「大丈夫ですか?」と声をかけました。
医師は病状説明だけして終了という感じで、その後のサポートは看護師の役目です。
しばらくして患者さんは泣いてしまいました。
僕は、その患者さんの姿を見て何も言えませんでした。
ただ、体を擦ってあげることしかできませんでした。
術前に癌であることは告知しており、手術ができない可能性についても説明していました。
でも実際に何もできなかったと聞いてショックを受けないはずはありません。
僕は、小学生低学年の時に祖父を癌で亡くしましたがまだ小さかったのでよく覚えていません。
看護師経験もまだまだ浅いですし、癌患者さんとの関わりもそこまで多くありません。
いや、癌患者さんとの関わりは前の職場でありましたが病状を受け入れ治療している患者さんばかりだったので、癌告知の場面に立ち会ったことはほとんどありませんでした。
治療法や処置のケアは割と教科書通りに進んでいきますが、心のケアは教科書通りには進みません。
先ほども述べた通り、人間は十人十色です。
きっとある程度経験を詰めば、その患者さんにあった声かけや関わり方が少しずつわかってくるんだとは思いますが、経験がほとんどない僕にはどうしたらいいかわかりませんでした。
どんな風に関わればよいかわからない時は、自分だったらどうしてほしいかを考え関わるようにしています。
もし僕が、家族がいきなり癌だと告知されたら・・・
あくまで僕の場合の話です。
・何かしら言葉をかけてほしい
何事もなかったかのように仕事を続けられるのは嫌ですね。
気持ちの整理できていないし、きっと何を言われても頭には入らないと思うけど、それでもどんな言葉でもいいのでなんかしら声をかけてほしい。
こんな風に声をかけてほしいといった具体的なものはありません。
・受け入れの状態に合わせた話をしてほしい
医師からいきなり癌と告知されて、すぐに受け入れて今後の生活を考えるには難しいと思います。
今後の治療や生活について話をされても、今はそんなこと考えられないと思うでしょう。
そんな時、看護師からも今後の治療や経過について話されても「いやいや、今はそんな話しないでほしい」と思います。
病状の受け入れが少しずつできてきた頃に今後に治療や経過について話してほしいですね。
難しいですが、タイミングがすごく大事です。
・必ず告知してほしい
告知はまず家族にすることが多いです。
医師から家族にし、医師と家族間で本人にも告知するかを話し合います。
家族の中には本人に告知しないでほしいと希望する方もいらっしゃいます。
僕は、必ず告知してほしいです。
きっと自分の身体のことなのでなんとなく想像はつくと思いますが、それでもちゃんと教えてほしいです。
あと何年、生きられるのかわかっておきたいから。
家族が癌になった場合でも、僕は本人に告知します。
告知して残りの人生をどう生きていきたいか話し合いたいと思います。
以上僕の場合どうしていきたいか書いていきました。
癌患者さんへの告知時の看護について今勉強中なので後日まとめて記事にしたいと
思います。